救急隊も含めたシミュレーション

救急要請から救急車出動、ドクターカー要請からドッキングポイントでの活動まで、消防との出動訓練の様子

ー稼働に向けて、シュミレーションや訓練などは、どうされているのでしょうか?
 やっぱり新しい車両なので、どう使いこなしたらいいかは、みんな分からないんですよね。消防も一緒に、人形を使ってシミュレーションしています。
 シュミレーション内容は、119番を実際にかけるところから始まって、消防も実際に出動して、その患者に見立てた人間の所に出向いて、車内に収容して、救急隊が救急車に乗っけて、ドッキングポイントに向かいます。我々も119番の要請内容から、通報でドクターカー要請してもらい、現場に出動して、ドッキングポイントで患者さんの診療をして、病院に連れて帰って来ます。ここまでを、7月から複数回やっています。
 訓練は毎回毎回、課題が見つかって、その度に検証と反省会をしています。実際に僕らが処置をしている間に救急隊に僕らの車を少し任せて、ストレッチャーを出してくるとか、バックボードを乗せ替えのために用意してもらうとか、細かいところも色々改善しています。

ーシュミレーションをしてみて、印象的な発見などはありましたか?
 現場の救急隊は、予想以上に、自分の頭を使って能動的に動いてくれるということが分かりました。プロトコルの範囲で自分達でできるところを探して、且つ、ここからは無理だから、ドクターやナースを要請し、病院側に何をしてもらいたいのか等、しっかり考えていることが分かります。プロトコルに準拠した簡単な症例は、救急隊だけで対応できるので、むしろドクターカーは要らない症例です。ドクターカーを呼ぶのは、プロトコルの領域を超えてしまうような重症とか、複雑な症例。僕たちはそれを正しく導いていくことが重要だと思います。
 例えば、救命士さんができないことを僕らが要求しても混乱するだけです。病院の前に出て、救命士さんと一緒に仕事をするということは、一体、どこまでを救命士さんにやっていただいて、どこからは自分達の出番なのかというラインも分かっていないといけません。法律上は出来るけど、地域の救命士さんの教育としてはまだ行き届いてないものは、要求しても上手くいかないということも、肌身で感じないと分からないです。宇都宮市は一体、救命士の教育レベルはどのぐらいのまで到達してるのか。足りないのであれば、今後教育をしていくし、すごく光るものがあれば、どう生かしてどう活動するのかということを考えなきゃいけない。それは、すごく現場の面白いところですよね。
 お互い顔が見える関係で、お互いのパワーバランスを確かめ合って協議をしながら、今あるベストなパフォーマンスをしっかり出していくこと。そこが一番、現場に立つ人間の腕の見せ所ではないかと思っています。

ー救急士さんの方もモチベーションが上がりそうですね。2020年10月1日からの本格稼働を応援しております。本日は貴重なお話をありがとうございました。

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